第1章 魔法のジャム

 第2話 魔法の時間
一晩寝かせたジャムはどうなったでしょうか。

翌朝、朝ごはんよりも前に、ジャムです!昨日あれだけおいしかったジャムがもっと
おいしくなっているのか、家族全員、気になってしかたがありません。

それぞれ、スプーンをもって一口ずつ食べてみるとんっ!おいしい!やっぱりとって
もおいしい!!でも昨日よりも味がまろやかというか・・昨日はそれぞれのおいしさ
を主張していたような感じだったけど・・今日になってみたら、それぞれが合わさり
あい、“一つの芳醇で素敵な食べ物”になっています。

みんな、驚きました。父が言ったように、まるで魔法にかけられたかのように、おい
しくなっていたのです。









何かにつけて食べるのさえ もったいなくて、スプーンから、口の中にいれて、とろ
けるようで、とろけないその、優しい舌触りの中から、信じられないほどの芳醇な香
りがどこまでも広がってゆき、舌で少しくづしただけで、葡萄の程よい酸味と甘みが
溢れでて、なぜか、うっとりするような幸福感、満足感につつまれます。


夢まで膨らみます。いつか自分たちの土地に、いろんな果物を植えよう、季節ごとに
旬のフルーツを少なくても、毎年味が変わっても、おいしいジャムにしよう。そして、
かわいいビンにつめて限定の味を販売してみるなんて素敵だね。
みんな思い思いのジャム屋さんの話で盛り上がり、とっても夢のある素敵な時間を過
ごしました。

私たちの作ったジャムは、ナイアガラ・ナポレオンジャムと名付けました。

もう、庭のナイヤガラは、使ってしまったので、早速、再現実験をすることになり、
近くのスーパーで、ナイヤガラを大量購入しました。

全国的には日本のぶどうの全生産量の5%に満たない稀少な葡萄ですが、その理由は
皮が薄く、長期流通に耐えられないことが主です、そのエメラルドグリーンの美しさ
と、マスカット系とは全く異なる、独特な味と香りが魅力的な、美しくおいしい葡萄
です。

その故郷は、ニューヨーク州ナイアガラ、コンコードとキャッサデーの交雑種として
誕生したそうです。

コンコードは、米原産のブドウの一種であるラブルスカ種(別名:fox grape)で、
果皮は濃い青や紫色で、白っぽい蝋で覆われている赤ぶどうです。

キャッサデーは、緑がかった白の葡萄でコンコードと同じfox grape種。とても良い
香りとフレッシュな果汁をたっぷりと含む良好な品種です。

面白いですね、あのエメラルドグリーンのナイアガラが、実は、赤葡萄と白葡萄の交
配種だったんです。







これは、後でお話しする、超おいしいぶどう、レッドナイアの誕生も納得です。

もっと色々調べるべきだったのでしょうが、あの魔法のぶどうが、いとも簡単にでき
たので、同じことをすれば、きっと簡単にできると思っていたのです。

で、購入してきたナイアガラをジャムにしようととりかかりましたが、

できない!! いくらやってもできないんです!!

いくら煮詰めても、ゼリー状になりません。 ど~して?